当社創業第一号の仕事は『松木庵様釣り鐘の彫刻』 本日お引取り式を行いました!


昭和30年1月、当社は精密仕上げ技術を基に、ゲージの製造から創業しました。
そして今現在は、油圧空圧機器の設計・製造へと第2創業しています。

しかし意外なことに、当社創業第一号の仕事は、『釣り鐘の彫刻』です。
創業当時、「せっかくなので形に残る仕事が良いのでは?」というご支援・お世話を頂き、
三木町田中の松木庵様の釣り鐘に、寄付者のお名前ほか鋳造会社様、『南無阿弥陀仏』などの
文字を彫刻した、というのが当社創業第一号の仕事です。
当社相談役、生え抜きOBなど、創業当初から関わりのあるごく一部の者しか知らなかった、
”森川ゲージあるある”です。

創業者・森川逸三のタガネによる手彫りですが、一文字も、止める・跳ねるといった線一本さえ
間違うことの許されない気の遠くなる緻密な作業、今見ても”恥ずかしくない仕事”なのだと感じます。
何年たってもモノとして形に残る、ものづくりの素晴らしさと怖さを垣間見た気がします。

この度、松木庵・松本様のご好意により、その釣り鐘を当社にお譲り頂けることとなり、
松本様、当社ゆかりの方お立会いのもと、本日お引取り式をさせて頂きました。

世代を超えて大切に管理されてきましたが、いまだ非常にしっかりとしています。
基礎には、がっちりとした石垣を組んでありますが、60年余りの間、手を付けていないそうです。
ひとつひとつの岩はどれも違っており、ひとつとして同じものはありません。しかし組み上がると
堅固な礎となっています。会社や組織においても、それを支える人は一人として同じ人はおらず、
この石垣になぞらえることができるのではないでしょうか?

『始まりがあるから、今がある』これまでの60年間の途方もない積み重ねのうえに今日があります。
当社の始まりとして、大切に展示・保管、語り継いで参ります。

これからの60年がどのように変遷していくのか、想像さえも出来ませんが、当社および当社にご縁のある方々が、なにがしかの形として記憶され継承されていくことを祈念します。
我々も、石垣を支える岩のひとつとして、努力する、ベストを尽くして参りたいと思います。

今後ともご指導のほど、宜しくお願い致します。